歯並びの矯正治療とは

歯並びの矯正治療は、歯並びがキレイに揃うという「審美性」の面でのみ注目されがちですが、咀嚼・発音などの「機能」の回復という大切な面があります。また整った歯ならびはブラッシングもしやすく、むし歯や歯周病の予防の面からも大変有利になります。少し前まで日本人は歯並びに対する意識が低く、笑うと凸凹の歯ならびの人が多かったのですが、最近は少し変わってきたようです。昔八重歯をチャームポイントにしていたアイドル歌手が、いつの間にかきれいに治っていることに気づかれた方も多いでしょう。

きれいな歯ならびは欧米では一つのステイタスです。これからの国際化社会では美しい歯ならびも重要である事を知っておいてください。確かに矯正装置を長い期間付けることは誰でもいやですが、安易に歯を削ってさし歯にするような、見た目を繕うだけの治療はよほどの事情がない限り避けるべきです。治療後の美しい歯ならびで過ごす長い人生から振り返れば、矯正治療期間はなんと短かったことかと思うはずです。


歯並びの矯正治療のメリット・デメリット

歯並びの矯正治療は、正しい噛み合わせや美しい歯並びを目指す方には適した治療ですが、メリットもあればデメリットもあります。

・正しいかみ合わせになる
・美しい歯列を得られる
・歯列の改善に伴い顔貌がさらに整うことも期待できる
・不正な歯列のままにしておくよりも、むし歯や歯周病の予防につながる
・発音がしやすくなる
・唇が閉じやすくなる
・健康保険が適用できないため、治療費が高額となる
・長期間、矯正装置を装着する必要がある
・一般的なリスクとして、むし歯、歯周病、歯肉退縮、歯根吸収、後戻りなどがある

 

不正な歯列とは

歯並びが悪いことを「不正な歯列」といいます。矯正治療を希望される患者様は、「歯並びが悪いので見た目を良くしたい」という理由で治療を希望される方が多いです。しかし、不正な歯列では、見た目だけでなく様々な問題点が存在しています。不正な歯列の場合、歯ブラシの届きにくい部分があったり、プラークコントロールがしにくくなり、プラークがたまりやすくなるため、むし歯や歯周病のリスクが高くなりがちです。また、歯と歯が正しく当たらず、食べ物を嚙み切ったり、すり潰すといった機能が低下している場合もあります。さらに、歯に無理な力が加わって、特定の部分がすり減ってしまうこともあります。また、歯だけでなく顎の関節にも影響が出て、顎関節症になる場合もあります。


不正な歯列の主な種類

不正な歯列には様々なものがありますが、ここでは代表的なものをあげてみました。


 

歯並びの矯正治療の方法

歯並びの矯正治療には様々なものがあります。

ワイヤー矯正(ブラケット矯正・ワイヤー&ブラケット矯正)

ワイヤー矯正(ブラケット矯正・ワイヤー&ブラケット矯正)は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を接着し、ブラケットにワイヤーを通して、歯に小さな力をかけて、少しづつ動かす治療法で、歴史があるオーソドックスな方法です。矯正装置は固定式のため、常に一定の力を歯にかけることができ、効率よく治療を進めていけます。歯一本一本に対して、細かい微調整が可能なため、歯並びを精密に、立体的にコントロールしていくことが可能です。目立ちにくい透明なブラケットや、白いブラケットなどもあります。

リンガルアーチ

リンガルアーチは、歯の裏側に沿ったアーチにスプリングをつけて、スプリングの弾力によって歯を目的の方向へ動かします。また、奥歯の位置固定や、拡大後の後戻り防止装置としても使用されます。

保定について

保定

⻭を正しい位置に動かした後、それまで使用していた矯正装置は外します。しかし、これで矯正治療が終了ではなく、「仕上げ」として「保定」をします。歯列矯正治療直後は、歯はまだ⾻にがっちりとは植⽴していません。歯が動いた場合、⻭周靭帯という組織が新しい歯の位置に順応していくのに数ヵ⽉の期間が必要になります。この⻭周靭帯が歯の新しい位置に順応していない時期では、何もしないでいると、歯周靭帯が⻭を元々あった位置に引っ張ってしまい、⻭の位置が元にどんどん戻ってしまいます。この「後戻り」を防ぎ、新しい、正しい噛み合わせを保つために、一定の期間、後戻りを抑える治療が必要となります。このことを「保定」といいます。保定のために「リテーナー」という保定装置を、矯正装置を取り外した後、すぐに装着します。